風のささやき

若き日の君を慕いぬ愛しさを告げぬ言の葉いくたび噛みしむ

普段は記憶の底に漂う人の顔が
突然、脳裏に浮かぶことがあります

ひととき同じ時間を過ごし
いつの間にか遠く離れてしまった人たち
中には愛しさを募らせた人もいます

そんな面影が浮かぶたびに
伝えられなかった言葉を
また噛みしめます

何が自分の言葉を止めていたのか
もう少しの勇気があればと
少し胸も疼きます

 #2008 冬に