風のささやき

子を背負い秋の雨音聞く夜や祖母の背中の感触まさぐる

雨が降っていたとある夜
子供が眠らずに随分と騒ぐので

背中に背負って
暗がりをうろうろとしていました

うとうととしても
下ろそうとすると起きるので
やることも無く雨の音を聞いていました

何とはなしに
祖母の顔が思い出されました
自分は祖父母に随分とお世話になったので

幼少の頃にはこうして
背負われていたのだろうな思うと
ありがたさが胸にしみてきます

その背中の感触を
まさぐろうとしていたのですが
やはり遠すぎる記憶

何も湧いてこないことに
寂しさを感じていると
子どもは寝静まっていました