風のささやき

止まれとのしるべ無視して自転車は滑り行くなり春風に乗り

その日は朝から暖かく
春らしい一日でした

僕は歯医者に行こうと
自転車に乗りました

歯医者までの道を走っていると
僕の前に何台かの自転車がいました

ほどなく交差点のところで
止まれの標識があったのですが
先行している自転車は
その標識で立ち止まることもなく
走っていきます

かく言う僕も
春風に背中を押されて
勢いがついて
自転車がすべるように進み
止まれの標識を意識せずに
通りすぎてしまいました

もちろん車が来ないことを
確認してなのですが