風のささやき

ボトボトと雪薙ぎ落とす残りの葉そんな無慈悲に無用の様に

とある雪が降った夜でした
まだ残っていた葉っぱを

その少し重たい雪が
ボトボトと薙ぎ落としていました

まるで一生懸命に残っている葉っぱを
無用の長物だとでも言うように

その白く無表情な雪の
何の躊躇も無い無慈悲な様に
少し腹が立つような気分を覚えていました

もっとも僕の知っている東京の雪は
あまり積もることもなく
物珍しく時として
子供たちには喜ばれるもの

ほんとうの雪の表情を
僕が知らないだけなのだろうなと思っていました