風のささやき

秋空を編隊を組み赤とんぼ寂寞落とす爆撃機のよう

秋の三時過ぎの空を
赤とんぼが泳いでいました

農作物を支えている棒や
あちらこちらの枝には
空を飛ぶことに疲れたとんぼが
静かに羽を休めて

空を行く赤とんぼを見ていたら
まるで透明な羽をもった
小さな爆撃機のように見えてきました

あてどもなく
何処へという目標もなく
透明な寂寞を落とし続ける爆撃機

この空にとんぼがいなくなったら
肌寒さも一層増すのだろうなと
ちょっと身震いを感じていました