風のささやき

夕暮れの風が押さんと乳母車子供らいずこに運ばれんとす

夕暮れの風が僕の手元にやってきて
子供たちの乗っている乳母車を
もっと押してあげるよとでも言うように
強く吹きつけました

僕はしっかりと乳母車の持ち手を押え
風の自由にはさせなかったのですが

そんな僕の思いとはうらはらに
子供たちは自分の意志を持って
どこかに歩いて行こうとするのでしょう

感傷を覚えた僕は
この子達は何処に運ばれていくのだろうかと
風に訪ねていました