風のささやき

歯の生えた子供に添い寝髪を撫ぜ母の気持ちを解きほぐしおり

子供に歯が生えてきました
一人は下の前歯が二本
もう一人は一本
笑うとその小さな歯が顔を覗かせます

そんな成長の早い子供たちに
添い寝しながら
髪を撫ぜていると
母のことを思い出します

そうして母が
どんな気持ちでいたのか
実感として感じられる気がします

今は亡き母ですので
その口からどんなことを思っていたのか
聞くことは叶いませんが

自分の中に湧き出す気持ちを
母の行いと重ねたりしながら
母の胸の内を解きほぐしている自分がいます