風のささやき

帰り来てため息吊るす夜桜や散らしておいて人の知る間に

いつもとは違う道を通り帰って来た夜
通りがかった公園に
見事な桜が咲いていました

今年はあまりゆっくりと
桜を見る時間もなかったので
しばしそこに足を止め桜を見上げ

今日の心の重荷を
溜息にしてその枝に吊るしました

ほんとうにつまらない僕の心の重荷
人に知られるには
あまりにも恥ずかしいものなので
花と一緒に散らしておいておくれと
言葉を告げてその場から去りました