風のささやき

雪の原一つ首出す墓石はまだ癒されぬ魂の標か

新幹線で秋田へ向っていました
目が疲れていたので
文字を目にすることもなく
窓の外を流れて行く風景を
ぼんやりと眺めていました

とある場所で
白い雪原が続いていたのですが
そこに一つ
黒い墓石が顔を出していました

すべてのものが白い雪の下で
静かに眠っているのに

その墓の下には癒されぬ魂があるのだと
告げているようで
勝手な想像で痛ましい気分になっていました