風のささやき

蝉時雨静まり青き耳の奥少年の心蠢くを聞く

とある緑の多い公園の中を通ったら
たくさんの蝉が鳴いていました
もうその蝉の声以外には聞こえないほどです

時雨のように降り注ぐ
蝉の鳴き声を聞いていたら
不思議と耳の奥が静まりかえって行きます

すると木立の間から見える
夏空に向って憧れを唱える少年の心が
まだ僕の胸には消えずにいて
蠢いているかすかな音が
聞こえてきました