風のささやき

雨一つ忘れた頃に僕の頬に次はどこへと生まれ急ぐか

雨が上がってしばらくたった通りを
一人歩いていました

とある街路樹の下を通りかかったら
雨の一雫が僕の頬に落ちてきました

突然の冷たさにびっくりして
僕は頭上を見上げたのですが

その雨が空から落ちてきたものなのか
葉っぱにとり残されていたものなのかは
わかりませんでした

僕の頬を濡らした雨はすぐに消え去り
そうして今度は何に生まれ変わるのでしょう

また雨になるのか
川に流れ込んでいくのか
それとも海の一滴となるのか

雨の繰り返す生に思いを寄せていました