風のささやき

手をつなぐあなたの顔も夕映えてひっそりと咲く幸いの花

買物帰り
ビニール袋をぶら下げて
空いた手をつないで歩いていました

その夜の夕食作りの役割分担の相談も終わり
言葉が途切れたころ
風も静かになりました

となりを歩く人の顔は
夕映えで赤く染まりとても綺麗に見えます

それはどこにでもある
けれどとても心を慰めてくれる
花のようにも見えて

僕は手が離れないようにと
手のひらに少し力を入れました