風のささやき

母消えた境目いずこその先を暗い夜の底捜しあぐねる

母がなくなってからもう大分たちましたが
時折その思い出が胸をよぎります

生と死の境目は一体どこにあるのだろうと
思うことがあります

あの世とこの世はそれほど
隔てられているものでもないように感じられます

そんなことを考えているからでしょうか
母の消えていった生と死の境目を
暗い夜の底に捜している自分がいます

そうして生の先にあるものへと
思いを馳せてみるのですが
想像はその先には進めないようです