風のささやき

青蔦に風足踏みぬ透明な木琴の音高鳴るようで

緑の蔦が壁一面に絡みついた家があります
その前に行くと
いつもしばらく
その見事な様に足を止めてしまいます

以前その家を真似て
自分の家のベランダを蔦で一杯にしたいなと
鉢植えを買ってきたこともありました

とある晴れた日
その家の前を通りかかると
風が足踏みをしているかのように
蔦が揺れていました

それを眺めていたら
聞こえるはずの無い透明な木琴の
楽しげな音が聞こえるような気がして
しばらく風の演奏に見入っていました