風のささやき

踏み切りで待つと菫の語りくる春はのどかな会話に満ちる

とある午後
踏み切りが上がるのを待っていました
ちょうど込んでいる時間なのか
電車が行ったり来たりと
なかなか踏切が上がりません

少しいらいらとしながら足元を見ると
小さな菫が群れて咲き
何をそんなに急いでいるのと
僕に話しかけてきました

ちょっとの待ち時間でイライラしている自分が
少し情けなく思えて
菫との会話を楽しんでいると
いつの間にか踏み切りは開いていました

春はいたるところで
語りかけてくるものに出会えます