風のささやき

輪郭も物音も雪に失くしてる街に色なす君の唇

降り続いている雪の白さに
街は輪郭をなくしていました

そうして人通りも車も少ないからでしょうか
いつもよりも随分と物静かな感じがしました

すれ違う人の顔もうつむき加減に印象も薄く
すべてが淡い夢の中の世界のようです

そんな白い世界で
横を歩く人の唇の色だけが
色艶をもって赤く
命の温かみを感じさせてくれました