風のささやき

秋霖に木犀口惜し水溜り匂い残さずただ落ちるのみ

肌に冷たい秋の雨が
毎日のように降り続いていた時分

せっかくの咲き始めの金木犀が
はらはらと水溜りに落ちて行きました

金木犀の香りをいつまでも残せるわけはなく
勿体無いと思うのは
人の勝手な思い込みなのでしょうが

僕は何故か口惜しく思えて
金木犀の小さな花で一杯になった水溜りを
眺めていました