風のささやき

振り払う夕日に指先つかまれてしょげて家路につく子かな

冬の夕日が空を赤く染めて
ビルの向こうに沈んで行くところでした

遊び足りない子供が
その夕日から逃れようとするかのように
公園で走りまわっています

けれどどんな一生懸命に走っても
夕日の赤い手から
逃れることはできません

すっかりと暗くなりかけた空に
子供もついに諦めたようです
そばにいた母親の手をとり