風のささやき

思い出の写真破るはほろ苦く恋し初めのときめき苛む

その日
少し色あせた写真を破る僕がいました
恋心を抱いた人と二人でいる写真

ある時にはそれは
僕にとってはとても大切なものでした
それを自らの手で破り捨てることの
苦き思いは砂を噛むようで

恋に足を踏み込んだ自分の愚かさと
その時のときめきが
僕をしばらく苛めたままでした