風のささやき

落葉掃く老婆の箒秋深め焚き火の暖が胸に染む

午後の遅い時間を一人歩いていました
とある神社の前を通ると
腰の曲がった老婆が
体に似合わない長い箒で
散り落ちた枯葉を集めていました

老婆にとっては毎日の
手馴れた作業なのでしょうか
見る見る間に枯葉が集まり
やがてその枯葉に火が点されました

少し底冷えを感じていた僕には
その焚き火の暖かな様子が胸に染み
晩秋の訪れを確かに感じていました