風のささやき

航路から零れ落ちてく白き泡時間をなぞりやがて黙する

船は白い航路を曳いて
海原の上を進んで行きました

スクリューが巻き上げる
白い泡が海の底からつきることなく
湧き上がってきます

そうしてそれはまた
何事もなかったかのごとく
海原に消えていきます

まるで止める術を知らない
時間の流れを見ているようで
その果てのなさに
眩暈を感じるようでした