野良犬の悔しい目をしてつきまとう疼き続ける心の古傷
僕の後を いつまでも野良犬がついてきました よっぽどお腹をすかせたのでしょう 余り物をあげたら まだ何かもらえると 思い込んでいるようです 悪いことをしたなと 後ろめたさを感じながらも 何食わぬ顔で歩き出すと 未練がましい目をわざと伏せてついてきます きっと何ももらえないことは 半ば分かってはいるのでしょう それでも淡い期待を諦めきれずに そんな野良犬の姿は 胸の内に消せないままに付き従う古い傷 後悔の疼きにも似て 犬がますます哀れに思え 走るように足早に歩きました