風のささやき

裸木にほっと瞬く星ひとつ空も緩んだ春の音信

まだ裸のままの木の枝の間に
星が一つ見えました

寒さが和らいだ夜空で
その星は無邪気に瞬き
僕が見ていることに気づきません

大地を駆ける春の温もりが
ようやく空にも届き
それで気が抜けてしまったのだと
贔屓めにその星を眺めました

 #2004 春に