風のささやき

晩秋の花壇に残る花の色夕映えの他さわる者なし

道を歩いていたら
菊をはじめ
まだ幾つかの花が残る花壇がありました

けれどその花の色は
どこか褪せてしまって見え
人の目を引くものでもありません

きっとこのまま誰に摘まれることもなく
枯れていってしまうのでしょう

そんな咲き遅れてしまった
花を慰めるかのように
夕日だけが優しく花びらに触れ
薄い紅を差していました