春雨に迷い込みたる蚊の羽音軽きのあまり打つ気にならず

春の夜でした
窓の外には暖かな雨が降っていました

そんな雨さえ嫌がったのでしょうか
気が付くと蚊が一匹
僕の部屋に迷い込んできました

夏場には蚊と同じ部屋に寝るなんて
まっぴらごめんということで
すぐに追い払おうとするのですが

部屋に紛れ込んだ蚊は
羽音もどこか軽く
とても僕を差すようには思えませんでした

それでそのままにしておいたのですが
朝になるとまた暖かな外の様子に惹かれたのでしょう
すっかりと姿は見えなくなっていました