風のささやき

薄墨の空にもたげる郷愁の淡くざわめき思いも乱れて

菜の花のような色をした
優しい夕日が
まだわずかばかりの明るさを残す
空は薄墨色に変わっていました

その空の下で春風にふかれる僕の胸には
帰れない何処かへの思いが
急に頭をもたげて

諦めや悔恨が入り混じった淡き思いは
頬を吹く風のようにざわめくことを止めずに

少し平静さをなくした僕は
一番星を見上げながら
とぼとぼと家路を歩いていきました