風のささやき

軒先に梅桃飾る平屋から懐かしき顔の戸を開けそうで

古めかしい家屋の前を通りました
家の前には大きな鉢に植えられた梅と
小さな鉢の桃とが飾られていました

梅も桃もすっかりと花をつけ
その色合いに僕は思わず足を止めたのですが

その一角だけ時代を遡ったような木の家屋
家をつつむ空気も
どこか懐かしく静かで

ずっと家を眺めていたら
人好きのする懐かしい顔が
戸を開けて挨拶を
交わしてくれそうな気がして
喧騒を忘れて足を止めていました