風のささやき

銀色の魚群いつしか見失い空に彷徨う鴎たち

夏の終りの海でした
波は白い陽射しを照り返し
静かに浜に打ち寄せていました

空には鴎たちが
風に乗り行く当てもなく
さまよっていました

きっと白けすぎた
夏の終りの陽射しに
向かうべき魚群を
見失ってしまったのでしょう

どこか目標をなくしている
僕に似ているなと
同類相憐れむ心境で
しばらく鴎を目で追っていました