風のささやき

溜息に毒気も抜けて街灯り綺麗だ気づかぬままいて僕は

人のたくさん乗った電車から
吐き出されるように
駅のホームに降り立ちました

今日も一日が終わったなと思い
深くため息をつくと
それまで少し緊張していた肩から力が抜けて
見上げると
ビルの明りが目に飛び込んできました

毎日のように降りる駅なのに
そんな明りに気づかずにいた自分は
余裕のない毎日を送っているのかなと
見落としているものの多さを思っていました