風のささやき

廃墟にも黄梅変わらず時を告ぐ

いつからか廃墟になっている家があります
駅からも近く人通りも多い場所なのですが
もう随分と昔から
誰も住んではいないようです

かといって取り壊されるわけでもなく
建て替えられる訳でもなく
何か権利関係でのトラブルでもあったのかなと
勝手な想像を膨らませたりします

そんな人の気配の無い廃墟の庭にも
植木はしっかりと育っています
今年もそのそばを通ると
春を告げる黄梅が辺りに色を添えていました

それを愛でる人がいないことを
花をつける黄梅は
寂しいとは思わないのかなと考えながら
庭の横を通り今日も人の気配がないことを
確認していた自分でした

← 春の俳句一覧に戻る