風のささやき

峰雲やほどけ続ける姿なり

少し前に高原の温泉宿に遊びに行った際のことです

温泉にゆっくりとつかりながら
山を覆うように湧いている雲の姿を見ていました

それなりの風が吹いているのでしょう
大きな雲ですがゆっくりと動いて行きます

そうして風の手に触られて
解けたりまた固まったりと
姿を変えて行く大きな雲の群れ

その戯れは僕が生まれる前のずっと昔
そうして僕が居なくなった後のずっと先にも
繰り返していくのだろうなと思うと
その時間の長さに少し眩暈がするようでした

それと比べると
温泉を楽しんでいる僕の僅かな時間
それはそれで満足をしていたのですが