風のささやき

珈琲の冷めるまで見る梅の花

とある喫茶店で
珈琲を頼んで人を待っていました

その喫茶店からは
ビルの合間の箱庭のような緑が見えて
そこに咲き始めた白い梅の花が見えました

それが寂しい色合いだった風景に
色を添え明るさを灯したように見え

僕の心にもこれから訪れる春を予感させる
どこか浮き浮きとした気分が感じられて
梅の花を見乍らその気分を楽しんでいました

そうしてどれぐらいの時間が経ったのでしょう
手をつけずにいた珈琲は
すっかりと冷めてしまいました