風のささやき

はるさめや悲しきことは思わざり

会社帰り
雨が降ってきました
濡れても気にならないような霧雨
暖かな春の夜のことだったので
しばらく雨に降られながら
家までの道を歩いていました

見上げると街灯に照らされた
霧状の雨に風景は優しさを増して見えました

胸の中に湧いてくるものも
何処か温かで
悲しいことの湧いてくる余地のなかった
優しい雨の中でした