風のささやき

金木犀天に帰すべしその香かな

金木犀の甘く上品な香りは
どこかこの世の物とは
思えない感じを覚えます

遠くからでも人を惹きつけるその香りは
一体誰が調合したものなのでしょう
そうして僅かな時間
開く花が散ると
まるで何もなかったかのように
消えてしまうその香り

天の誰かが調合をして
間違えてこの世に
垂らしてしまった一滴の香水の様で

天に返すべき
香りのようだと感じてしまいます

 # 2012 秋に