風のささやき

古き家寄り添う芙蓉の幾年や

とある午後
一人で散歩をしていました

何気なく通り過ぎた
古い家の横に
立派な芙蓉が寄り添うように立ち
いくつも花を咲かせていました

まるで生まれた時からの長い時間を
古いその家に寄り添い過ごしてきたように
その家の傍らにあることが馴染んで見えました

いったい何年の間
そうして一緒に過ごしてきたのでしょう
芙蓉は誇らしげに花で語りかけるだけでした