風のささやき

過ぎ去れば皆懐かしき夏の空

夏の空を見上げていると
どこか遠い郷愁に呼ばれます

子供の頃に見ていた
夏の空への憧れが
また蘇ってくるからでしょうか

子供の時分は
その空の向こうに
何か素敵な事が自分を待ち受けているのではと
疑わずに思っていられました

今では色あせたその憧れも
夏の空に向っていると
またカタカタと動き出して

けれどそこには戻れないことを
知っている心は
その動きを押さえ込もうとして

ただ微かな甘酸っぱい余韻だけが
僕の中に漂います