風のささやき

日も暮れて寄り添うものあり葱坊主

夕焼けが優しく空を染めはじめた
道を一人で歩いていました

どことなく風も涼しく感じられて
夜の香りを含んでいました

道を歩いて行くと小さな畑があり
幾つかの野菜が植えられていました

その内の一つには
頭に玉のような花をつけた葱の一群
育ちすぎたのか随分と大きくなっています

そのシルエットが日暮れの寂しさを
寄り添い分かち合おうとするもののようで

一人で歩いていた僕は
家の灯りが恋しく思えました