風のささやき

とまどいに秋桜揺れる首折れの横

秋めいた爽やかな風が
僕の体を吹き過ぎていきました

こんな気持ちのいい風の中であれば
足が疲れるまで
どこまで歩いてもいいなと
そんなことを感じていました

もっともそこは通勤の途上
それが許されたことではなく

せめてもと
途中の花壇や野原の草花を
見ながら歩いていたのですが

とある場所で背の低いコスモスの一群れが
頭を揺らしていました

その横にはすっかりと首が折れて
うつむいた向日葵
もう息絶え絶えの様子です

秋を謳歌するものもあれば
朽ちて行こうとするものもいる

ちょっと寂しい
季節のコントラストでした