風のささやき

大風やたんぽぽ空へ促しぬ

その日は朝から
随分と風が強く吹いていました

いつも乗っている電車も
その風の影響で遅れる始末

道を歩いていても風が冷たく感じられて
着ているジャケットの胸元を押えていました

そんな強い風につかまっては
旅立ちを戸惑っていたタンポポの綿毛たちも
ひとたまりもありません

次から次へと
空に旅立って行き
直ぐに見えなくなっていきました