風のささやき

白壁に静かなるもの炎天下

照りつける陽射しが
すべてを黙らせてしまうような真昼時でした

僕も車から降りると
小走りするように
訪れた温泉宿の
風の通り抜ける部屋に逃げ込んだのですが

日陰を求めていたのは
僕だけではなかったようです
見ると温泉宿の白壁には
糸とんぼが羽をピクリとも動かさず休み
太陽を追い過ごそうとしているようでした