風のささやき

夏霧に迷い溶け込む白き翅

山道を進んでいたら
濃い霧が立ち込めてきました

せっかくの高原の景色も
その白さに隠れてしまい
見えなくなって行きます

せっかくの機会なのにと
残念に思いながら
少し未練がましく
遠くの方に目線を送っていると

霧と同じような色をした紋白蝶が
ヒラヒラと行ったり来たり
迷ったように飛んでいます

それは急に立ち込めた霧の白さに
自分の羽との境目が分からなくなり
とまどっているといった風情でした