風のささやき

菜の花に夕映え淡き野焼きかな

暖かな春の夕暮れでした
一日の穏やかさを
そのままに映した夕日が
空にゆっくりと
沈んで行こうとするところでした

その優しい夕日は
線路脇の菜の花の小さな群れにも
忘れられることなく注がれて

夕日を受けた菜の花は
淡い炎に燃え上がっているようで
一日の些細な出来事を
燃やしている焚き火のようにも見えました