風のささやき

柿熟す勢い帳尻合わせかな

布団から起きだして窓を開けると
その日は曇り空の
随分と寒い朝でした 

服の隙間から入り込んでくる冷気に
少し身を固くして電車に乗り込み
なにげなく流れて行く
窓の外を眺めていたら

昨日までは
気がつかなかったのですが
枝にぶら下がる柿の実が
随分と赤い色をしていました

今日の寒さに
早く熟さなければと慌てさせられて
その色を一気に赤くしたようで
日々に深まる秋を感ていじました