風のささやき

柿の実の落ちれば高き音もしそうな

電車に乗りドアのところ立ち
走り去る風景を眺めていたら
あちらこちらの庭先で
柿が枝に実をつけていました

風が吹くと
枝が重たそうに揺れるのは
実がぎっしりと詰まっているからでしょうか

その実は地面に落ちれば
高い音があたりに響き渡りような
そんな硬質な重量感をたたえ
一つ一つが手仕事で作った
陶器のようにさえ見えました