風のささやき

ほうき掃く音だけ響き秋の朝

遅い秋の朝はどこか静かです
少し体に染み込む寒さが
人の口を閉ざし
体の動作も封じ込めるからでしょうか

そんな静かな朝にも
落ち葉だけは悪戯な木枯らしに
降り落とされて道を急ぎます
そんな枯葉たちが散々に消え去らないように
箒を使う音だけが
朝の静けさを
一層深めるように響きます