風のささやき

巾着の陽はこぼすままチューリップ

咲いたばかりの
チューリップを見ていると
その形からでしょうか
色とりどりの巾着を思い浮かべてしまいます

花の一つ一つをそっとのぞくと
たくさんの春の陽射しが
そこに溜め込まれているように思えます

そんな連想からでしょうか
春先の花壇にチューリップが咲いていると
どこかほのぼのとした
楽しい気分を覚えます

時間とともにチューリップの巾着も
破れてしまうのですが
それはきっとたくさんの陽射しを
集めて過ぎて破れてしまったから

少しよくばりだなと
チューリップにははた迷惑な
想像をめぐらしたりします