風のささやき

隠れても風が教える金木犀

街角に甘い香りが漂いました
すぐに金木犀のものと気がつき
匂いのする方を眺めたら
オレンジの小さな花がたくさん
顔をのぞかせていました

普段は控えめな金木犀も
花の頃にはその甘い香りで
主役になります

花を隠しても
風がその甘い香を運び
遠くからでも気づきます

ほんとうは早く見つけて欲しいと思いながら
隠れている子供のようで可笑しくなり
小さなその花に指先で触れました

 #2000 秋に