風のささやき

夕映えて追憶に酔う芒の野

少し肌寒い風の吹く日
夕映えの中でススキの群れが
頭を静かに揺らしていました

遠く離れた
キラキラとしていた夏は
耳の中の余韻となって

すすきはそのかすかな音色を
探り当てようと頭を揺らしている
ようにも見えました

やがて自分たちも追憶の中に
消えてしまうことも今は忘れて
すすきと一緒に去っていくものたちの余韻に
耳を傾けていました