嘲笑う白刃 2幕
「どうしたの?」
コトノハが不思議そうな顔でのぞき込んでいる。
どこまでも落ちて行きそうな真っ青な空に、キリテは暗い夢から引き戻される。
ここはククトジューリの浜辺。ほとんど波のない穏やかな入り江、かすかに頬をなでる潮風。
白い砂浜で話し込むうちに、キリテはついうとうとしてしまったらしい。
「あ、あぁ、なんでもないよ・・・・・・。ちょっと、おかしな夢を見ただけだ」
「そう・・・・・・、なら、いいけど・・・・・・」
あの声は・・・・・・? 夢にしては妙に生々しかった。オロチ・・・・・・? すべてを呑み込み、すべてに終わりを告げる者・・・・・・?
キリテの心に、あのヘンな夢が小さな影を落とす。