嘲う白刃
「ジャマするな。俺のものだ。彼女も、この世界も・・・・・・」
漆黒の闇のなかで、そのささやきは、背後からナイフのようにキリテの胸を貫いた。
「誰だ!?」
「俺は、オロチ・・・・・・。すべてを呑み込み、すべてに終わりを告げる者」
「オロチ・・・・・・?」
闇の中で、オロチの声がぐるぐると回りながらキリテの耳に届く。
「いいか、キリテ。俺達は結ばれているんだよ。お前にはムリだ、彼女を救うのは」
「なんだと?」
「コトノハは、俺が喰う」
オロチの笑い声は、闇の中で遠ざかって行く。
「おい! 待てッ! ま・・・・・・